スポーツ障害

スポーツ障害について

スポーツ種目によって、過度の負荷がかかる同じ動作が繰り返されることによって、痛みが生じたり、損傷したりする疾患をスポーツ障害と言います。痛みが慢性的に続くのが特徴です。重度になると、日常生活の動作へも困難を生じてしまいます。スポーツ種目や年齢・性別によっても症状が異なる為、運動中の注意点や運動後のケアについても丁寧に説明しています。

スポーツ障害の症状

以下のような症状が現れたら、当院にご相談ください。

① 肩の痛み

  • 投球障害肩(腱板炎・腱板損傷・関節唇損傷・肩峰下滑液包炎・インピンジメント症候群
  • リトルリーガーズ・ショルダー(上腕骨近位骨端性離開)

② 肘の痛み

  • 野球肘
  • テニス肘
  • ゴルフ肘

③ 腰の痛み

  • 腰椎分離症
  • 椎間板ヘルニア
  • 分離すべり症
  • 変形性腰椎症

④ 膝の痛み

  • オスグッド・シュラッター病(Osgood-Schlatter)
  • ジャンパー膝
  • サッカー膝
  • ランナー膝
  • 分裂膝蓋骨
  • 離断性骨軟骨炎
  • 腸脛靭帯炎
  • 鷲足炎

④ 足の痛み

  • 疲労骨折(中足骨・脛骨)
  • 偏平足
  • シンスプリント
  • アキレス腱炎
  • 三角骨障害
  • 足底筋膜炎
  • 有痛性外脛骨
  • 踵骨骨端症

野球肩

投球障害肩とも呼ばれる野球肩は、野球をはじめバレーボールやハンドボール・やり投げなど腕を大きく振る動作を繰り返すことによって肩が痛くなる疾患です。肩の痛みだけではなく、力が入らなくなるなどの症状が見られます。肩の使いすぎと、同じ動作の繰り返しによる歪みや、肩筋肉が固まって正しいフォームで動作ができないことが原因です。再発や悪化を防ぐ為にも、あらゆるスポーツにおいて正しいフォームで行うことが大切とされています。運動療法で治療を行うほか、手術治療を行うケースも稀にあります。

野球肘

靭帯損傷や離断性骨軟骨炎・骨端軟骨損傷・変形性関節症など複数の疾患を包括的に含んだのが野球肘と言います。成長期にボールを投げすぎることで、肘が損傷して痛くなってしまいます。繰り返す投球動作によって、肘へ大きく負荷がかかることが原因です。肘を伸ばしたり、曲げたりしにくくなる他、急に動かすことができなくなってしまいます。痛みがあるのに我慢して投球し続けると、症状が更に悪化して手術による治療が必要な状態に進行してしまいます。

テニス肘

ラケットを持ったり、物を持ったりするなど、手首を使うときに生じる肘の痛みをテニス肘と言います。ラケットから伝わるボールの衝撃が手首に伝わり、その際のストレスが肘にまで及びます。テニスでの発症率が高いことからこのように呼ばれますが、そのほかではゴルフ・バドミントン・剣道など手首を使うスポーツでもよく見られます。

腰椎分離症

腰の疲労骨折と言われる疾患で、発育期の青少年に起こりやすいとされています。野球やサッカー・水泳・バスケットに多い、身体を反ったり腰を捻ったりするスポーツによって、腰椎が大きな負荷を受けることが原因です。痛みを放置しておくと、完全に腰椎が骨折し、脊髄神経を圧迫して足の痛みやしびれが伴う場合があります。悪化させる前に、コルセットなどを用いた装具療法などでの治療が必要です。

オスグッド・シュラッター病

サッカーやバスケットボールなどの激しい運動で、毎日繰り返し膝関節に負荷がかかって痛みが生じる、成長期特有の症状です。骨の成長に筋肉の成長が追いつかず、そこの運動によって負荷がかかって発症する成長痛と似ているとされています。痛みが現れたら、痛みが治まるのを待つのではなく、完全に痛みがなくなるまで治療を継続してください。

ジャンパー膝

成長期特有の症状で、小学校高学年から中学生にかけて最も多く見られます。バスケットボールやバレーボールなど、繰り返すジャンプの動作によって膝に大きな負荷がかかることで、骨と靭帯の連結部が炎症し痛みが現れます。

ランナー膝

長距離ランナーに多く見られる症状で、膝の外側に痛みが生じる他、きしむ感じ、引っかかるような痛みなどが現れます。ランニングの際、繰り返す膝の曲げ伸ばしによって過剰に刺激を受け、発症するとされています。特に男性に多い症状です。

疲労骨折(中足骨・脛骨)

転倒やスポーツによる1回の衝撃で起こる骨折とは異なり、同じ部位に繰り返し加わることで、骨にヒビが入り骨折する状態を疲労骨折と言います。ランニングやラグビー・バスケットボールなどスピードを要求される競技やバレエや新体操のようにつま先立ちやジャンプの動作が多いスポーツに多く見られます。骨折部位としてよく見られるのは、足裏を形成する5本の骨の「中足骨」が一番多く発症し、次にすねの骨「脛骨」とされます。また、脛骨の疲労骨折は、すねの骨に負荷がかかるバレーボールやバスケットボールなどのジャンプ競技、サッカーやハンドボールなどのランニングの多いスポーツに発症しやすいとされています。

シンスプリント

すねの骨の内側に痛みが現れる疾患です。サッカーやバスケットボール・長距離走などの陸上競技をしている中高生に多く見られます。靴が合わなかったり、固い道路やグランドで練習したりするとシンスプリントが起こりやすいとされています。靴を自分に合ったものに替えたり、足が疲れているときはアイシングをしたりとセルフケアが非常に大切です。

アキレス腱炎

走ったり飛んだりを繰り返す動作の陸上や剣道・バレーボールやバスケットボールなど、ジャンプを繰り返すことで、アキレス腱に大きな負荷がかかり続けることで発症します。アキレス腱は、ふくらはぎの筋肉とかかとの骨を結ぶ太くて丈夫な部位です。炎症が起きた場合は、医療機関を受診して適切な処置をしてください。

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